記事: MARITHE FRANCOIS GIRBAUD❘韓国でのトレンドをリードするスタイリッシュな選択肢
MARITHE FRANCOIS GIRBAUD❘韓国でのトレンドをリードするスタイリッシュな選択肢
デニム業界に革命を起こし、その後韓国のストリートファッションシーンで新たな息吹を得たMARITHE FRANCOIS GIRBAUD(マリテ・フランソワ・ジルボー)。世界初のストーンウォッシュ加工を開発し、従来のデニムの概念を覆したこのブランドは、現在、韓国のMZ世代(ミレニアル世代とZ世代)の間で絶大な支持を集めています。2024年には日本市場への本格的な再参入を果たすことが決定し、さらなる進化を遂げようとしています。この記事では、ブランドの歴史から現在の展開、そして今後の展望までを詳しく解説していきます。
伝説的ブランドの誕生とその背景
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1968年、パリで誕生したMARITHE FRANCOIS GIRBAUDは、マリテ・バシェレリーとフランソワ・ジルボーによって設立されました。1942年にリヨン生まれのマリテと1945年マザメ生まれのフランソワは、1960年に運命的な出会いを果たします。
当時のフランスでは、ファッションといえばオートクチュールやプレタポルテが主流でした。しかし、二人はアメリカのカウボーイスタイルに魅了され、これをパリに持ち込むという革新的な挑戦を始めます。この決断は、後のデニム革命の起点となりました。
パリを震撼させたデニム革命
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1972年、パリの中心地に最初の店舗「アルカポネ(Halle Capone)」をオープン。従来のアメリカンジーンズの概念を完全に覆し、ヨーロピアンテイストを取り入れた斬新なデザインで、瞬く間にファッショニスタたちの注目を集めました。
最も画期的だったのは、世界初となるストーンウォッシュ加工の開発です。当時のデニムは硬く、着心地の良くないものが主流でした。マリテとフランソワは、デニムを何度も洗い、手作業でヤスリをかけるという独自の加工技術を確立。これにより、柔らかく着心地の良い、そして独特の風合いを持つデニムの製造に成功しました。
この革新的な加工技術は、デニム業界に大きな衝撃を与えました。従来のジーンズメーカーは、デニムは硬いものであるべきという固定観念を持っていましたが、MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは、デニムの可能性を大きく広げたのです。
技術革新の追求とブランドの成長
1986年には、二人の名を冠した「マリテ+フランソワ ジルボー」としてパリコレクションにデビュー。ストリートウェアをハイファッションの舞台に持ち込むという、当時としては革新的な試みでした。その後も以下のような革新的な技術を次々と生み出していきました:
- シワ加工技術の確立:自然な風合いのシワを施す独自の加工方法を開発。これにより、一着一着が異なる表情を持つデニムが生まれました。
- シームレスオーバーホールの開発:縫い目を最小限に抑えた新しい製法により、着心地の向上と独特のシルエットを実現。
- ライクラ入りストレッチ素材の導入:快適な着心地と動きやすさを両立。特にスキニージーンズの開発において革新的でした。
- レーザーカット技術の革新:精密なデザインと加工を可能にし、デニムのカスタマイズの新たな可能性を開きました。
- タトゥープリント技術:独特の風合いを持つプリント方法を開発し、デニムをキャンバスとした芸術的な表現を可能にしました。
グローバル展開とブランドの多角化
1990年代に入ると、ブランドは急速にグローバル展開を開始。デニムウェアだけでなく、以下のような幅広いアイテムを展開するようになりました:
- レザーシューズ:革新的なデザインと快適な履き心地を追求したフットウェアライン
- アクセサリー:独自のデザイン哲学を反映したバッグや小物類
- アイウェア:スタイリッシュで機能的なサングラスやメガネフレーム
- スポーツウェア:快適性と機能性を兼ね備えたアスレジャーアイテム
- スキーウェア:高機能な素材とデザイン性を融合したウィンタースポーツライン
この多角化戦略により、MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは単なるデニムブランドから、ライフスタイル全般をカバーするトータルファッションブランドへと進化を遂げていきました。
ブランドの転換期と韓国での再生
2013年、経営難により一度はブランドを終了。しかし、この危機を新たな機会へと転換させ、2019年には韓国法人レイヤー(LAYER)がマスターライセンスを取得。特に韓国市場において、新たな成長期を迎えることになります。
韓国のMZ世代(ミレニアル世代とZ世代)の間で、MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは急速に人気を獲得。その理由として以下が挙げられます:
- ノスタルジックでありながら現代的なデザイン:90年代ファッションへの憧れと現代的なエッセンスの絶妙なバランス
- ユニセックスなアイテムの豊富さ:性別を問わないデザインと豊富なサイズ展開
- 特徴的なロゴデザインと独自の世界観:SNS時代に映えるビジュアル的な要素
- Korean Streetwearとの親和性:韓国のストリートカルチャーとの自然な融合
- 品質の高さと適正な価格設定:若い世代でも手の届きやすい価格帯
日本市場への本格的再参入
2024年、伊藤忠商事が日本における独占輸入販売権を取得し、日本市場への本格的な再参入を果たすことが決定。以下のような展開が予定されています:
- 東京でのフラッグシップストア開設:2025年春、都内の主要エリアにオープン予定
- 大阪、福岡、名古屋でのポップアップストア展開:2024年秋冬から順次開催
- 百貨店や商業施設への出店:全国主要都市での展開を予定
- オンラインストアの展開:日本独自のECプラットフォームの構築
この日本再進出により、MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは、デニムの本場である日本市場において、新たなチャレンジを開始します。韓国市場での成功を足がかりに、日本のファッションシーンにも新風を吹き込むことが期待されています。
商品ラインナップと価格帯の詳細分析
MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは、革新的な技術と高品質な素材使用によって、独自の製品ラインナップを展開しています。特にデニム製品においては、ストーンウォッシュ加工をはじめとする独自の技術を活かし、多様な製品を生み出してきました。半世紀以上にわたるデニム開発の歴史は、現代のコレクションにも深く反映されています。
デニムカテゴリー:89,000~159,000ウォン(約9,000~16,000円)
ストーンウォッシュ加工デニムは、特殊な石材を使用した独自の洗い加工技術により、着用による経年変化を計算した素材選定と加工プロセスを特徴としています。複数回の洗い工程による独特の色調と質感は、他ブランドでは真似のできない独自性を持っています。さらに、独自開発の柔軟加工による着心地の向上と動きやすさを実現しながら、耐久性も確保しています。
主な製品ラインナップ:
-
プレミアムデニム
- 13.5オンスセルビッジデニム使用
- 職人による手作業仕上げ
- 限定生産モデル
- オリジナルレザーパッチ
- 特殊ボタン・リベット使用
-
ストーンウォッシュデニム
- 特殊加工による風合い
- 補強縫製による耐久性
- サイズ展開:24-36インチ
- 豊富なシルエットバリエーション
- カスタムウォッシュオプション
-
ストレッチデニム
- 特殊ライクラ混紡素材使用
- 4方向ストレッチ機能
- 形状記憶性能搭載
- 速乾性と通気性の両立
- カラーバリエーション:5色展開
Tシャツライン:49,000~69,000ウォン(約4,900~6,900円)
最高級コットンを使用したTシャツラインは、カジュアルウェアの中核を担う製品カテゴリーです。特にグラフィックTシャツは、アーティストとのコラボレーションによる限定デザインや、高品質なシルクスクリーン印刷による鮮やかな発色が特徴です。素材には、エジプト綿やスーピマコットンなど、厳選された原料のみを使用しています。
製品バリエーション:
-
ベーシックTシャツ
- スーピマコットン使用
- 4サイズ展開(S/M/L/XL)
- 10カラーバリエーション
- 特殊編み立て構造採用
- 防縮加工処理済み
-
グラフィックTシャツ
- アーティストコラボデザイン
- シルクスクリーン印刷
- 限定ナンバリング
- 特殊プリント加工
- シーズナルデザイン
アウターコレクション:159,000~289,000ウォン(約15,900~28,900円)
アウターラインでは、デニムジャケットを中心に、革新的なデザインと高機能な素材使用が特徴です。特に新シーズンからは、環境に配慮したサステナブル素材の使用も積極的に行っています。
主力アイテム:
-
デニムジャケット
- オリジナルウォッシュ加工
- リサイクルコットン使用
- ヴィンテージ風仕上げ
- 特殊ボタン仕様
-
テクニカルジャケット
- 防水・撥水加工
- 高機能素材使用
- 多機能ポケット搭載
- 着脱可能なライナー
古着市場での評価と需要分析
古着市場におけるMARITHE FRANCOIS GIRBAUDの評価は、その高品質な素材と製造技術に裏打ちされています。特に90年代から2000年代初頭のアイテムは、コレクター間で高い評価を得ており、年々価値が上昇しています。ヴィンテージマーケットでは、特にデニムアイテムの需要が高く、オリジナルの加工や色落ちが美しい個体は premium価格で取引されています。
年代別価値評価
1990年代前半のアイテム:
-
デニムジャケット:30,000~80,000円
- 初期のストーンウォッシュモデル
- オリジナルボタン使用モデル
- 限定カラーバリエーション
- 特殊加工シリーズ
-
ストーンウォッシュジーンズ:25,000~50,000円
- オリジナル加工モデル
- 赤耳セルビッジデニム
- 初期タグ付きモデル
- 限定生産ライン
1990年代後半~2000年代初頭:
-
テクニカルジャケット:20,000~40,000円
- 特殊素材使用モデル
- コラボレーションライン
- 限定カラー
- アーカイブ価値の高いデザイン
コンディション基準
デッドストックや極美品は、市場価格の150-200%で取引されることも珍しくありません。状態の評価基準は以下の通りです:
A級コンディション:
- タグ付き新品同様
- 極わずかな使用感
- 保管による劣化なし
- 付属品完備
B級コンディション:
- 通常の使用感
- 軽微な色褪せ
- 小さな着用跡
- 修復跡なし
日本での購入方法
2024年からの日本再進出に伴い、購入方法は大きく拡充されています。特に正規販売チャネルの拡大により、より多くの消費者がアクセスできるようになっています。
新品購入チャネル
フラッグシップストア(2025年春開設予定):
- 場所:東京都内主要商業エリア
- 規模:300坪
-
特徴:
- 全商品ラインナップ展開
- カスタマイズサービス提供
- 専門スタッフ常駐
- VIP顧客向けサービス
百貨店インショップ:
- 全国10都市での展開
- 基本ラインナップ中心
-
サービス内容:
- フィッティングサービス
- 商品取り寄せ
- ポイント制度連携
- アフターケアサービス
古着購入の選択肢
実店舗での購入:
-
古着専門店
- コンディション確認可能
- 専門家による商品説明
- 価格交渉の可能性
-
韓国古着セレクトショップ
- 最新トレンド反映
- キュレーション済み商品
- スタイリングアドバイス
オンラインでの購入:
-
フリマアプリ
- 豊富な商品数
- 価格比較が容易
- 個人間取引の利点
-
専門ECサイト
- 信頼性の高い出品者
- 商品保証制度
- 返品対応可能
ブランドの今後の展望
MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは、日本市場への再参入を皮切りに、アジア市場での存在感をさらに高めていく計画です。特に注力するのが、デジタル戦略とサステナビリティへの取り組みです。
グローバル展開戦略
アジア市場での展開:
-
韓国
- 既存20店舗のリニューアル
- ECプラットフォーム強化
- SNSマーケティング展開
- インフルエンサー施策
-
日本
- 5年間で30店舗出店
- オンラインストア構築
- ポップアップイベント
- メディアタイアップ
サステナビリティへの取り組み
環境配慮型製品開発:
- リサイクル素材の使用
- 水使用量の削減
- 化学物質削減
- 持続可能な包装材
社会貢献活動:
- 地域コミュニティ支援
- 教育プログラム提供
- 環境保護活動
- フェアトレード推進
まとめ
MARITHE FRANCOIS GIRBAUDは、デニムの革新者として50年以上の歴史を持ち、現在も進化を続けています。2024年からの日本再進出により、新たな成長フェーズに入ります。伝統的な技術と革新を融合させながら、サステナブルなファッションブランドとしての地位を確立していくことが期待されます。